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NTE COSMO

1.電磁波とは「電場」と「磁場」の波です。

電磁波とは、電気と磁気の両方の性質をもつ「波」のことです。電気の影響が及ぶ範囲を「電場」(電界ともいう)といい、磁気の影響が及ぶ範囲を「磁場」(磁界ともいう)といいます。この電場と磁場がお互いに影響しあって、電磁波の「波」がつくられているのです。電磁波は一般に周波数(1秒間に生じる電磁波の波の数)で表わされ、いろいろな種類があり性質も違います。
周波数の高いものから、①電離放射線(X線やγ線)、②紫外線,③可視光線(人の目に見える光)、④赤外線、⑤電波(TV,ラジオ、携帯電話)等に大別され、電子レンジ、携帯電話は「マイクロ波」と呼ばれる周波数の高い電波、高圧送電線やIH調理器等の家電製品から発生している電波は周波数の低い「低周波」と呼ばれる電波です。

2.電磁波による健康への影響

最近、よくいわれるのが、携帯電話や高圧線の電磁波が体に良くないというものです。しかし、国連の機関であるWHO(世界保健機関)は、高圧線の電磁波で小児白血病リスクが上昇することを認めながらも、「これを説明する科学的根拠はみられない」といっています。また、1999年に米国の国立環境衛生研究所は、電磁波が「発ガンの原因となる可能性は否定できないが、因果関係は薄い」と報告しています。結局のところ、電磁波が有害なのか無害なのかははっきりしていません。
しかしながら、電磁波の健康被害が証明されていないからといって、「電磁波は安全」というわけではありません。現在も世界中の科学者が、電磁波による健康への影響について研究を行っています。WHOも最終報告書の提出に向けて検討しています。
近年、「予防原則」(生活環境・自然環境に対して被害を与える脅威については、科学的な根拠がなくても事前回避の措置をさだめるという原則)の考え方がヨーロッパを中心に広がってきました。たとえばスイスでは、2000年2月から「10mG=1μT」、「4μW/c㎡」という電磁波の防護基準が決められています。
※①ガウスは磁力密度のことで、1c㎡当たりの磁力線の数です。

1G=1000mG、10mG=1μT

②ワットは電力密度のことで、1c㎡当たりの通貨電力をあらわしています。
   1000μW=1mW
 日本でも、総務省が2000年に法令を改正し、基準値を設けました。
  1)1.5GHz以上は電力密度「1mW/ c㎡(1000μW/ c㎡)」
  2)300MHz~1.5GHzでは、電力密度は「周波数÷1500」の計算式で算出
    800MHzの携帯電話の場合「0.53mW/ c㎡(530μW/c㎡)」です。
 スイスの「4μW/c㎡」に比べて日本の電磁波防護基準は「1000μW/ c㎡」で、日本の防護指針は緩やかなものです。

3.家電製品と電磁波

家庭内の電化製品のなかで電磁波の漏洩が心配な製品があります。ざっと数えて11種類!
① 電磁調理器(IHクッキングヒーター)、② 電子レンジ、③電気カーペット・電気毛布、④)ヘアードライヤー、⑤電気ミキサー、⑥テレビ、⑦ラジオ、⑧電気掃除機、⑨蛍光灯、⑩電気こたつ、⑪電気カミソリ
電化製品で電磁波を使用している代表例が①)電磁調理器(IHクッキングヒーター)と②電子レンジです。数年前、電子レンジから漏洩(ろうえい)する電磁波で、白内障になる危険性があると話題になりました。
その後、扉や周辺のゴムにマイクロ波の漏洩防止対策がほどこされ、白内障等の事故は減少している・・・そうです。ですけど、防止対策はマイクロ波のみ。低周波の電磁波は垂れ流しされているため、今後も要注意!
また、 ③電気カーペット・電気毛布、④ヘアードライヤー、⑤電気ミキサーなども、電磁波漏洩の強いものです。
①電磁調理器(IHクッキングヒーター)は、プレートの下のコイルに高周波の電流を通し、うず状に発生してくる電磁波で直接暖める仕組みになっています。数十キロHzの周波数ですが、いわば「電子レンジを扉を開けて使用しているようなもの」読売新聞の報道(2002年4月8日)によれば、某市民団体が国内メーカー6社の電磁調理器を調べたところ、全製品が、国際的な機関によって勧告された安全ガイドライン(0.0625ガウス)を上回り、最高で16.2倍、最低でも6.4倍もあったのです!
③電気カーペット・電気毛布、⑨蛍光灯、⑩電気こたつも案外強く、⑨蛍光灯に関しては同じワット数であれば白熱灯の数十倍もの電磁波が漏洩してます。弱い電磁波でも、あびている時間が長いと影響も大きくなりますので、注意が肝心です。また、④ヘアードライヤー、⑪電気カミソリなどは、頭部に近づけて使用しますので、こちらもぜひご注意を。

4.携帯電話と電磁波

携帯電話の電磁波は(800MHz~2GHz)「マイクロ波」と呼ばれる比較的高周波の電波を使用しています。このマイクロ波が及ぼす人体への影響として、以下のようなものが心配されています。
(1)がん発症率の上昇
(2)頭痛、発熱、目まいなどの症状
(3)睡眠や学習能力への悪影響
※これらはいずれも科学的な証拠はありません
それでも、世界的には携帯電話の電磁波を規制しようという動きが強まってます。特にSAR(比吸収率)という安全基準が決められています。このSAR(比吸収率)とは、身体が電磁波にさらされることで、単位質量の組織へ単位時間に吸収されるエネルギー量のこと。単位はW/kgであらわされます。
日本でもSAR(比吸収率)の値が定められています。2002年に施行された総務省令により、携帯電話のSARが「2W/kg」の許容値を満たすことが義務づけられました。
現在使用している携帯電話の機種や、購入を検討されている携帯電話の機種に関して、まずはSAR値を確認することを、強くお薦めします。

5. 電磁波過敏症

電磁波を浴びることが原因で発生する諸症状は「電磁波過敏症」と呼ばれてます。電磁波に過敏なため、身の回りにある微弱な電磁波を浴びただけで頭痛や吐き気などを感じる症状です。スウェーデンやドイツ、デンマークなど、ヨーロッパ諸国では社会的に認知されつつあり、公的保険の対象として治療が進められています。
米国でも電磁波過敏症の専門医が患者のケアを行っています。こうした人々がいることも電磁波問題のひとつといえるでしょう。

目の症状 見にくい、目が痛い、目がうずくなど
皮膚の症状 乾燥する、赤くなる、できものなど
鼻の症状 鼻づまり、鼻水など
顔の痛み 顔がほてる、むくむ、水泡、ヒリヒリする
口の症状 口内炎、メタリックな味がする
歯や顎 歯や顎の痛み
粘膜の症状 乾燥、異常な渇き
頭痛 単なる頭痛のみならず記憶喪失やうつ症状まで
疲労 異常な疲れ、集中力の欠如
めまい 気を失いそうな感覚、吐き気
関節痛 肩こり、腕や関節の痛み
呼吸 呼吸困難、動悸
しびれ 腕や足のしびれ、まひ